Microsoft Accessは1992年にリリースされてから13回バージョンアップされ最新はAccess 2019です。
弊社が使い始めたのはAccess95からですので1995年から2019年まで24年間になります。
使い始めの頃はプログラムがうまく動作しないのをAccessのせいにしたことがありました。
しかし突き詰めていくと誤りは自分で、それからは誤りは必ず自分にあるという考えで向き合いました。
Accessは
①95,97頃に完成されたツール、以降は付け足し
②業務系ソフトなら作成出来ないものはない
と思っています。
- Aceessの長所
・使い始めが簡単 各種ウィザードを使ってデータベース入門者でも簡単なアプリケーションの構築が可能です。
クエリを使ってデータの抽出、加工、統合が簡単にできる。
・高度なアプリケーション開発が可能 データベース入門者から一気に敷居が高くなりますがデータベース、VBAの知識があれば高度なアプリケーション開発が可能です。ですからいろいろなご要望に応えることができます。
・レポートの作成が容易 ・テキスト、エクセルとのやり取りが簡単
- Aceessの短所
・データベースの肥大化 読み書きが多くなってくるとデータサイズが実際のデータ容量に比べ大幅に増えます。
Access97までは制限が1GB、2000から2GBになりましたが超えるとエラーになります、
肥大化によりだんだん遅くなりますので最適化が必要です。
・データベース破損 データの更新タイミングでのネットワーク障害、電断等でデータベースが破損することがあります。
修復できればよいのですが、なかには修復不可なケースがあります。
対処方法としてそのAccessバージョンより高いもので修復をかけると修復できることがあります。
又、データベースのバックアップを自動化して1時間ごとに取るようにして備えます。
・排他制御(同時にアクセス)に弱い 同時に、複数の人が同じデータにアクセスすると後から更新した内容になり、又、壊れる可能性があります。
対処方法としてはプログラムで制御する必要があります。
・一般的に言われてますが複数人使用にむいていない 実際を知らない人が言っていると思います。
30人くらいが使用しても問題なく稼働します。但し、その規模だとネットワーク障害(ハブ・LAN線の劣化)によりデータベース破損が生じるケースが増えるので言えるかもしれません。
・離れた場所からWANで動かすと極端に遅い Accessはデータを抽出するのに、そのテーブルすべてを取り込みますので転送データが多いと極端に遅くなります。
対処方法として、参照のみするテーブルはあらかじめローカルに保存し、取り込まれるテーブルを減らすか、テーブルをAccessからSQLに変更する。(簡単ではないですが)
- 注意点
以下は長く携わってきた中での注意点です。思いついた順で記載しています。
■Access2000からDlookupで持ってくる文字列が切れる場合がある モジュールで記述するように変更します。
■画面へドロップアンドドラッグができない それに対応するイベントがありませんので無理です。
■access2007からマクロ作成画面のイメージが変更され使いにくくなった 使いにくい、分かりにくい、前バージョンの方が良かった、文句ばっかりは言ってられないのでマクロをモジュールで記述し直しました。モジュールにする方がデバックしやすいという利点がありますので。
■フォーム、レポートが大きすぎるとコントロールが追加できなくなる 経験された方は稀だと思います。
対処方法は、元の項目をペーストして新しいフォーム、レポートに貼り付けます。 この時、注意することはフォームのイベントが消えるので設定する必要があります。
■ブレークポイントが残ることがある モジュールをデバックするために設定したブレークポイント、解除しても残る現象はずーと引き継いでいます。対処方法ブレークポイント解除後、モジュールに意図的に改行して空白行を追加してコンパイルして保存しています。
■Access2000からプログラム起動時にセキュリティのメッセージを表示されるようになりました
■ツールバー、Access2007からリボンにボタンの追加がむずかしくなった Access2007から他のOffice商品と同様なインタフェースとしてリボンインタフェースとなりました。そのリボンにボタンを追加するのは、それまでのやり方と異なり戸惑います。
■ランタイム版が正規版から機能制限されているほぼ同様に動作しますが微妙な部分で機能制限されているため、分かりづらいです
①リボンからワード、エクセルボタンが無くなる
②PDF出力がA4なら半分しか作成されない。
■大敵はWindowsのアップデート Microsoft商品なのにAccessを削除されたことがありました。
■Access2010、2013、2016、2019は何が変わったのか、色?
- 費用、工期が少ない
どのツールにも長所・短所があります。
私たちソフトウェアを作成するのに必要な要素は「あいまい」が無いことです。
こう作成すれば必ず結果はこうなるという信頼です。
Accessは短所が多いですが、それは解決すれば良いことで、 その欠点を超える開発の容易さがあります。
ですから 費用、工期が少なくて済みます 。
- AccessデータをSQL化
データ量が多くなってきた、使用する社員が多くなってきた
そのような時にデータのSQL化が有効です。
SQLデータベースは堅牢ですので、Accessで発生するデータベース破損が無くなります。
SQL Server(マイクロソフト)は高価なので、無料のMySQLで実現します。
但し、Accessデータ取得の Seekを一律にSQL文に変更したのであれば処理速度が遅くなりますので工夫が必要になります。